2025年読書記録7冊目(1月-7冊目)。
書籍紹介
基本情報
あらすじ
道尾秀介の描く青春は切なくて可笑しくて、悲しい
秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。飼い犬に引きずられての事故。だが、現場での友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。そして予想不可能の結末が……。青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。 /文藝春秋
http://michioshusuke.com/custom24.html
読書記録
関連記録
メモ
続けて2札、道尾秀介氏の作品を読んだことになる。今年の通算だと、道尾氏の作品は4冊目だ。
今回この作品を選んだ理由も『風神の手』のときと同じく、道尾秀介氏の公式サイト内にある「あなたへのオススメ作品検索」をやってみた結果をもとにしたからである。
あらすじにもあるとおり、主な登場人物は秋内、京也、ひろ子、智佳という大学生4人である。
主人公は秋内静(せい)で、この秋内の視点で物語は進んでいく。
本作が発表されたのは2007年8月。そのため、恐らくその時代の大学生活を想定して書かれたのだろう。その頃はちょうど私も大学3年生だったため、この4人の大学生活の描写を読みながら当時の大学生活のことを思い出した。
この4人の共通の友人(というか、4人が通う大学のある助教授の息子)である陽介という小学生の事故死をきっかけに、彼らの大学生活が一変する。
陽介は、散歩中に突然走り出した飼い犬・オービーにリードを巻いた腕を引っ張られる形で車道に飛び出し、大型トラックに轢かれ、そして死んだ。
なぜオービーは突然走り出したのか。そして、陽介は本当に事故死だったのか。
物語は、この謎を中心に展開されていく。
小学生の事故死という、暗く重い出来事を描きながらも、大学生4人の青春を感じさせる人間関係も描かれており、作品全体に流れる雰囲気はどこか軽やかなものに私は感じた。
衝撃的などんでん返しが最後に待ち受けているわけではないものの、それまで謎だった事柄ひとつひとつの真実が伏線回収とともに明らかになっていく終盤の展開は惹き込まれた。
細かいところで気になる点はあったものの、総じて楽しめる作品だった。
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