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【読書記録】江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚

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2025年読書記録8冊目(2月-1冊目)。

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書籍紹介

基本情報

タイトル:江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚
著者:江戸川乱歩
出版社:株式会社光文社(光文社文庫)
形式:文庫本

あらすじ

江戸川乱歩の作品をその発表順に収録した全集の第2巻。
収録されている作品は下記のとおり。

  • 闇に蠢く
  • 湖畔亭事件
  • 空気男
  • パノラマ島綺譚
  • 一寸法師

読書記録

関連記録

読了日:2025年2月12日(水)
入手元:図書館からの貸出

メモ

今年のライフワークとなりつつある江戸川乱歩全集読書。今回は第2巻。全巻読破への道のりはまだまだ長い。
第1巻は短編を中心に構成されていたが、第2巻は中編と長編のみで構成されている。

最も印象的だった作品は、表題にもなっている『パノラマ島綺譚』だろう。
自身の夢を現実のものとするため、主人公である人見廣介の異常性を帯びた行動、そしてその夢を結実させたパノラマ島の幻想的かつ畏怖を感じさせる描写に、私は現実を忘れて惹き込まれていった。
そして、衝撃的なラストシーンの描写には、圧倒された。

乱歩は本作を「好評ではなかった」と述懐しているが、本書の解説によれば、『パノラマ島綺譚』が連載されていた『新青年』の編集者だった横溝正史氏は高く評価しており、映画化を熱望するほどだったという。
確かに、この作品全体に流れるどこか不気味で、それでいて幻想的な世界を映像化したらどうなるだろうと夢想してしまう気持ちは私にもよくわかる。

本格探偵小説となっている『一寸法師』も、ミステリ好きの私としては好みだった。
物語中に謎が散りばめられ、それらが名探偵の活躍によって最後に明かされるというオーソドックスな展開であり、そこに特別な技巧はないけれども、だからこその安心感がある。
現代の視点で見ると、明らかに問題となる描写の多い内容であることはさておき……。

第1巻に続き、第2巻も読み応えのある作品群であった。
さて、つぎは第3巻へ。
乱歩の世界に浸る日々はこれからも続く。

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